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旭川出張レポート〈1日目CONDEHOUSE工場見学編〉

  • 執筆者の写真: ruhe-annex
    ruhe-annex
  • 2017年7月3日
  • 読了時間: 6分

こんにちは。ルーエの古川です。

あっという間に今年も半分が過ぎ、今週から下半期のスタートですね。

本当に日々過ぎて行く時の早さに、毎月末を迎えるたびに驚いています。

さて、6月21日〜25日に開催された家具見本市【IFDA】を観に行くため、21日〜23日の3日間、旭川市へ行って参りました。

現地ではメイン会場での展示を見ることに加え、家具工場の見学をしたり、北欧をテーマにした企画展示を見に行ったりと、盛りだくさんの3日間を過ごしてきました。

ここでは私古川の備忘録として、その様子をまとめていきたいと思います。

まずは初日。羽田から約1時間半で旭川空港へ到着!

近いですね〜。機内食も出ない程の近さです。

涼しいと思っておりましたが、開催期間中は暖かな日が続き、過ごしやすい陽気でした。

ちなみにこの日は25℃近くまで上がり、雨だった都内よりも暑かったです。

空港近くでレンタカーをピックアップして、まずは腹ごしらえ。

「信濃路」にて名物のもつそばをいただきました。もつの味がしみた甘みのある汁とゴロゴロ入ったもつが、しっかりと太さのある麺に絡んで美味しかったです。ボリューム満点!

薄味好みの我々には少し味がしっかりしすぎているようにも感じましたが、これは根強いファンがいるのであろう…と思うような、やみつきになる味でした。

食レポはほどほどにして…お腹も満たったところで、まずはメイン会場へ。

…向かったのですが、予約していたCONDE HOUSEの工場見学の時間が差し迫っていたため、すぐにそちらへ。地図上では徒歩圏内に見える距離でも、北海道となると車移動です。

そして楽しみにしていたCONDE HOUSE FANTORY TOUR。総床面積10,000㎡以上の工場を回りながら、木取り〜仕上げ、検査と出荷までの全工程を見学しました。

工場見学の様子は写真NGでしたので、ここからはズラズラと私の考察文が続きます。

(ショールーム内のお写真は下にいくつか掲載しています。)

長いのでご興味のある方以外は、中間は全てすっ飛ばして最後のまとめをご覧ください。笑

■木取り

初めに丸太を見せていただきましたが、細いものでも樹齢約80年。スライスしたものを最低でも1年以上自然乾燥するところから家具作りはスタートします。大きな大木になるまでは長い年月を要しますが、切り倒される時は一瞬。それだけでも木の家具のありがたみを感じます。

自然乾燥の後、乾燥機にて2〜3週かけて人工乾燥させ、200%ある水分量を6〜8%まで乾かします。ここの工程を甘くすると、家具にしたときに狂いが出たり、使っていくうちに大きく動いたりしてしまいます。

もともと自然素材家具を販売していた私ですが、木を切ってから家具になるまでにもこんなに時間がかかることを初めて知りました。

■ 突板の制作工程

家具によく用いられる突板ですが、これも家具工場で作っています。板になった状態で仕入れるのではないのですね…。用途に応じて0.4〜2ミリ程にスライスされた木をつなぎ合わせて突板を作ります。厚みによってその接着方法を変えていることで、効率よく突板を制作していました。造作家具を制作する際には、突板に使用する材を吟味して選ぶと聞いてはいましたが、実際に薄くスライスされたたくさんの材料を目の当たりにし、その理由がよく分かりました。

■ 成形

一枚の板からなるべく端材を出さないようにパーツごとに曲げ木部分と削り部分とに分け、パーツを制作していきます。背のアール部分は削らずに曲げにすることで、材料が1/3程で済むそうです。曲げ木用のプレス機も一度に何個ものパーツを制作できます。昔見た曲げ木の映像は職人さんが一つ一つ曲げていたので、設備の充実が短納期と大量生産を実現しているのだと感じました。

興味深かったのはその削りカスの行方。冬の寒さの厳しい北海道では、多くの工場で端材を冬のストーブの燃料として再利用しています。最後まで木を使い切る素晴らしい工夫です。

■加工

旭川最大の工場であるカンディさんは設備も充実しており、最新の技術を導入して安定した供給と品質を保っています。中でも3次元に削りを行う機械は同時に8本の脚を仕上げることができ、圧倒的な速さを実現していました。機械本体だけでなく、そのシステムも非常に高額ですが、カンディさんは社内にプログラマーを抱え、制御や情報の更新も社内で行っているそうです。「1人のアイディアを実現するために280人の知識と経験がある」と言った担当者の言葉が胸に響きました。

加工の中でも1番印象に残っているのは「フィンガージョイント」です。こちらも機械を使用しての加工ですが、木の含水率やその日の湿度などの外的環境によって、溝の幅を変えているそうです。機械を使用しているとはいえ、全ての工程において職人さんの経験が必要不可欠です。

■ 仕上げ

大木から家具を作っていく大枠は機械加工が担いますが、最後の仕上げは人の手と眼で行っています。手の感覚仕上げる滑らかな曲面が、思わずスリスリしたくなるアームや脚、背もたれを作っているのだなぁと改めて実感しました。機会化で大量生産が進んでも、全て同じ品質に仕上げるのはやはり人の力でした。

■ 塗装

ここからは人の手が頼りになる工程です。ウレタン塗装でも環境に優しい塗料を使用するなど、環境や人への配慮を忘れません。かつてウレタン塗装は悪とされてきましたが、今は技術の進歩とともに、その考えも変わってきています。塗装によってコーディネートの幅も広がりますし、用途やお客様の希望によって選べる幅が増えていることはとても良いことだと思います。

今はグレイッシュカラーが流行っているため、メーカーさんはこぞってグレイトーンのカラーを出しています。カンディさんも既存のライトグレイに加えて、ダークグレイとダークブラウンを新色として出していました。「ウォルナットにはウォルナットの家具」ではなく、ミックスコーディネートが当たり前になった今の流れにとても良く合っています。

実際の店舗でもウォルナット×ダークグレイの展示を行っており、時代に合わせて老舗の家具屋も変化していることをとても良く感じることができました。

■ まとめ

旭川の家具業界を引っ張っているカンディを支えているのは、最先端の機械技術とひたむきに家具作りに向き合う職人さんたちでした。かつてはほぼ全ての工程を人の手で行っていたでしょうから、いち早く機械を導入したその当時は大きな賭けだったのかもしれませんが、それが大量生産を可能にし、今のカンディを作っているのだと感じました。

創業からの歴史を大切にしながら、国内外の外部デザイナーを起用したり、新たなカラーを増やしたりと、時代の流れに乗って変化していく様を肌で感じられて良かったです。作る工程を見ることで、さらに家具に対する思いが深まった工場見学でした。

・新色のダークウォルナット色とダークグレイ色のコーディネート

・突き板を交差させています。まさに神業!

・以前MRに入れたチェアからホワイトの新色が出ていました。納品事例はこちら

広いショールームには定番商品から新作まで、たくさんの商品が生活シーンを想像できるような配置で置かれていました。これだけの広さがあると、エリアごとに商品テイストを変えて展示ができるので良いですね。見応えたっぷりでした!

工場見学を終え、夜はお楽しみ蝦夷郷土料理のお店へ。やはり食も出張の楽しみの1つですよね〜

席に案内してくれたのは哀愁漂う(?)女性スタッフ。この時点で少し不安がありましたが、運ばれてきた料理はどれも美味しく、ふらのワインとともに美味しくいただきました。

長くなりましたが、1日目これにて終了です!

翌日はarflexとTIME & STYLEの工場へ行って参りました。こちらのレポートもぜひご覧ください。

お読みいただき、ありがとうございました。


 
 
 

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