旭川出張レポート〈2日目①arflex工場見学編〉
- ruhe-annex
- 2017年7月3日
- 読了時間: 4分
こんにちは。ルーエの古川です。
さてさて、シリーズでお送りしている旭川出張レポート。
2日目はarflexの工場へ行って参りました。
こちらはソファの工場で、現地や協力工場で制作された部材の組立、生地張りをし、梱包して全国へ出荷しています。
またしてもここからは私の考察が長々と続きます。最後にまとめを記載しておりますので、サクッとそちらを読んでいただいても結構です。
■ 生地取り
さすがはソファ工場ともあり、たくさんの生地が大きなロールでストックされていました。年間では60,000mもの生地を使用するということですから驚きです。ですが国内在庫生地は全コレクションの1部であることを思うと、生地を買い付けてバリエーションをそろえるだけでもお金と労力が必要ですね。革のバリエーションは非常に豊富ですが、グレイ色の種類が多かったことが目に留まりました。やはりここでもグレイ色が来ているようです。
カッティングは機械による裁断と人の手による裁断を使い分けていました。ここでも生地に無駄がないように、全てのパーツを効率良く配置し、その通りに機械が裁断してくれます。
人が行う場合でも一枚一枚切ることはせず、重ねて切れるように道具を使い分け、効率よくカットしていました。手早い作業でしたが滑らかに切れていて、定規とカッターを使いながらもたまに歪んでカットしてしまう私としては、大変感心しました。笑
■ 縫製
見学した日、縫製は全て女性のスタッフが担っていました。縫製作業は女性のほうが得意なのだと思います。分厚い生地も慣れた手さばきであらゆる方向に生地を回転させ、速いスピードで塗っていました。大きな生地の縫製もとてもきれいな縫い目ですが、全て手作業でした。
■ ウレタン
スラブウレタンとモールドウレタンの両方が展示されていました。現在新しいウレタンを開発中とのことで、工場ではその研究が行われているそうです。
スラブウレタンは固さの異なるウレタンを何層にも重ねて制作します。この組み合わせになるまでに何通りも研究して作られているのだろうなと、複雑に組み合わされたウレタンを見ると感じます。
モールドウレタンの金型は初めて見ましたが、その大きさに驚きました。全ての金型を作るのは難しいので、物によってスラブウレタンと組み合わせているという話を以前聞きましたが、実物を見て納得です。材料の配合の違いによって様々な硬さにでき、硬質のものはスタイロのようでした。
ウレタンは湿度の違いなど、制作する環境が硬さに影響するのでしょうか。日本で制作されたものと現地で制作されたものは座り心地が多少異なるのか気になるところです。
■ 組立て・検査
縫製された生地と本体の組み合わせを行います。しわにならないようにぴったりと縫製している訳ですから生地をかぶせるのも一苦労のはずですが、慣れた手つきで生地をかぶせていました。手で生地をなでるとマチが渕にぴったりと合っていく様子が、見ている側も気持ちよかったです。
組立て終えたものは出荷前に検査を行います。座り心地の検査もあり、検査員の方々は座り心地でソファの種類を当てられるのだろうと思います。すごい…。熟練したお尻です。
■ まとめ
大きなソファを一つ一つ手作りで制作している様子を見て、1つのソファに懸ける職人さんたちへの家具の思いを感じました。カンディは最先端の技術を駆使して大量生産を可能にしていましたが、ソファのほうが大きなものであるのに、手作業が多かったように思います。
機械を使用する場面を終えた部材たちが運ばれて来ているからだと思いますが、日本人の器用さを上手に生かし、イタリア家具を国内で制作しているのだと感じます。縫製など人の手に大きく依存しなければ形にならないソファだからこそ、最高にリラックスできる心地よさが生まれるのだということを実感しました。
また、工場の2階は小さな展示ブースになっています。

そこは一般用の展示スペースではなく、職人さんたちが完成品を確かめるためのものだそうです。部分部分に分かれて作業をしていると完成形が分からないということもあるでしょうから、そのようなスペースを設ける姿勢がとても良いと思いました。
そしてそして、arflexのツアーはなんとランチつき!
近くのカフェと思われるところの、お弁当でした。さすがはarflex、イタリアンパニーノのランチBOXだなんて、おしゃれです。

お読みいただき、ありがとうございました。
旭川レポート、まだ続きます!
Comments